Indeed Hiring Labとリクルートが共同で作成した「グローバル転職実態調査 2023」報告書(日本語) を掲載。本レポートは、リスキリング、キャリアの自律意識、転職行動等に対する各国の実態や国間の差異を明らかにすることを目的に、アンケート調査の結果をまとめたものである。
主要ポイント
- グローバル全体でリスキリングを実践する量とキャリア自律レベル(注1)には相関がある。日本はリスキリングの意識はある一方で、リスキリングを実践する量とキャリア自律レベルが共に低い。
- キャリア自律レベルは、グローバル全体で雇用の流動に関する「健全性」(注2)とも概ね相関がある。キャリア自律レベルの高さと転職時に1割以上賃金が上昇した割合で順位付けすると、上位にはインドやアメリカ、中位にはイギリスやオーストラリア、下位にはフランス、韓国、日本が並ぶ。
- 欧米諸国とアジア諸国の間で、リスキリングの「動機」や「質」が異なる傾向が確認されており、欧米では教養を目的とする場合が一般的であるのに対し、アジア諸国では仕事に直結するようなリスキリングに重きが置かれることが多い。
- 欧米諸国とアジア諸国ともに、時間の不足やモチベーションの維持など、リスキリングに共通の課題を抱えている。一方で大きく異なる点として、欧米ではキャリアデザインのトレーニングや外部情報を柔軟に取り入れている傾向があるのに対し、アジア諸国、特に日本ではその傾向が低い。
注1:「キャリア自律レベル」とは「変化する環境において自らのキャリア構築と学習を主体的かつ継続的に取り組むこと」を意識したり実践したりする割合を指す。
注2:雇用の流動に関する「健全性」とは、「転職者が、転職前後で賃金面の悪化が少ない/賃金が増加するようなかたちで転職しているかの度合い」を指す。